今回は、伊坂幸太郎さんの人気小説である「殺し屋シリーズ」についてご紹介したいと思います!
※ネタバレはありません
伊坂幸太郎さんといえば、ジャンル不問でとにかく面白い小説を次々と送り出してくれる作家さんです。中でも本日ご紹介するこの「殺し屋」シリーズは、現時点(2026年2月)で4作品刊行されておりますが、どれも人気が高く、個人的にも超おすすめの作品ばかりになります。
とにかくワクワクする物語が読みたい!時間を忘れて没頭できる小説が読みたい!と思っている方には刺さること間違いなしですので、ぜひ最後までご覧ください!
今回の記事では、シリーズ全体についての魅力をお伝えします。各作品ごとの詳細については個別記事を出しますので、そちらも是非ご覧ください。
本シリーズは、下記の4作品が現在刊行されております。




このシリーズを一言で言いますと「エンタメに100%振り切った最高の娯楽」と呼べるかなと思います。面白い小説って世の中に無限にありますけど、この小説たちはとにかく「エキサイティング」という表現がぴったり。
その名の名の通りこのシリーズ、殺し屋がとにかくたくさん出てきます。各作品ごとに設定はもちろん異なるんですが、個性豊かな殺し屋たちがたくさん出てきます。彼らが各々に目的を持っていて、それらがどのように交錯していくのか、というのを楽しんでいく作品になっています。
全作品に共通する所で言いますと、語り手がコロコロ変わっていく、群像劇と呼ばれている作りもになっています。
また、小説のジャンルとしても他の小説にはなかった新ジャンルと呼べると思います。サスペンスともヒューマンドラマともいえなくないんですが、ちょっと違う。このシリーズでしか味わえない面白さ、その唯一無二なところも、非常にお勧めできるポイントです。
本シリーズの面白さ
では早速ですが、このシリーズの何が面白いのか、そのポイントを3点挙げさせていただきます。
ポイント① 圧倒的スピード感
このシリーズ、非常に読みやすいです。おそらく多くの方が、時間を忘れて一気読みすることになると思います。
理由としては、殺し屋シリーズの名の通り、常に誰かが命の危機にさらされている状況が続くので、終始緊張感があるんですよね。
命を狙っている側と、狙われている側の心理描写がそれぞれの視点で描かれているので、殺しのプロ同士の心理的な駆け引きというのが、非常にリアリティがあるというか。変な言い方ですけれど、めちゃめちゃかっこいいんですよね。
それを象徴するシーンを1つご紹介します。
エレベータの中でですね、2人の殺し屋AとB、そして一般人5人がいるんですよ。で、片方の殺し屋はもう1人一般人を連れていて、その人の護衛をしていると。このシーンは護衛をしている殺し屋A視点で描かれているんですけれど、一瞬でBがプロの殺し屋であること、そしてBも同様に自分に気付いたであろうことを見破ります。
ただ、お互いプロなので、複数一般人がいるこの状況ではすぐに行動を起こさないんですよ。ただ、頭の中でAはめちゃくちゃ色々なことを考えるわけです。次にエレベータが止まる階は何階かとか、相手の武器は何かとか、護衛をどう逃すかとか、自分の今の持ち物で役に立つものはないかとか。護衛を抱えているAの方が不利な状況の中で、どのようにしたらこの状況を切り抜けられるのかと。
この辺が非常に細かく書かれているので、読者としてもとても没入感があるんですよね。
で、エレベータが止まって一般人がいなくなった瞬間、お互いが同時に動き出すと。果たしてこの状況をどのようにしてA は潜り抜けるのか、そういった場面です。
こんな緊張感のある場面がちょくちょく出てくるわけですから、そりゃ面白いですし、1冊通してスピード感が衰えないわけですよね。
またですね、当然戦闘シーンも描かれているんですが、それがもう小説読んでいるとは思えないくらい、映像として目に浮かぶんですよ。しかも戦闘中の細かい心理描写もまた丁寧かつ激しく描かれているので、各人の考えや狙いっていうのもよく分かる。小説としての良さも出してくれています。
とにかくこの殺し屋同士の駆け引きというのが緊張感があってページをめくる手が止まらないんですが、他に読みやすくしてくれている要因としては、語り手が頻繁に切り替わるという理由もありますね。
この小説、10ページごとくらいのペースでコロコロ語り手が変わるので、全然読んでいて飽きないんですよ。読んでいて止め時がないんですよね。
さっきのエレベータの例で言いますと、別の場面ではB側が語り手となっている部分もあるので、そこではどういう考えでエレベータに乗り込んだのかや、どういった狙いでAを追い詰めるつもりなのかとかが読者側には分かっている状態で、あの緊張感あるシーンに突入することになるので、神の視点で物語を見ている読者としては、1人称視点よりも余計に楽しめるような作りになっています。
この疾走感と緊張感、まさに他の小説にはない唯一無二ものですね。
ポイント② 殺し屋のキャラがとにかく良い
これについては、伊坂幸太郎作品全体にも言えることかもしれません。
伊坂幸太郎さん、言わずと知れたベストセラー作家ですので、もちろんすごいところたくさんあります。小説の設定そのものが面白かったりとか、文章構成の巧みさ、文章の分かりやすさとか、挙げればキリないんですけれど。
ただ、個人的にこの作家さんの一番すごいなと思うところが、とにかく魅力的なキャラクターをバンバン生み出せる点だと思うんですよ。
めちゃくちゃ変わり者なんだけれど、絶対にいないとは言い切れない絶妙なラインというか、しかも非常にユーモラスな人物が各作品にほとんどと言っていいほど出てくるんですよね。この発想力、ほんと信じられないです。
そして、そのキャラの魅力がふんだんに詰まっているのが本シリーズとなっています。
何と言っても新しい殺し屋がバンバン出てきますし、それぞれのキャラの癖がすごいんですよ。しかもさっき書いた通り、ユーモラスさもあるので、なぜか読んでいてちょっと笑えるんですよ。
キャラの一例を挙げると、「なぜかドストエフスキーの罪と罰っていう本をいつも持ち歩いていて、何百回も読み直している奴」とか、「機関車トーマスガチ勢の奴」とか、「恐妻家で、奥さんに対してとにかく怯えまくっている奴」とか。
今挙げたの全部殺し屋ですからね(笑)
全員めっちゃ強いし、人殺しまくってる奴らなのにですよ。
こんな感じなので、殺し屋なのに読んでいてとても人間味を感じるんですよ。あと、殺し屋という前提は誰に対しても変わらないのに、その中でも良い殺し屋、悪い殺し屋っていう差別化ができたりとか、同じ殺し屋なのに人物ごとに好き嫌いも出てくるんですよね。
どの作品でどんな殺し屋が出てくるのかについては、作品ごとの紹介記事で詳しく書こうと思うんですが、とにかくこの愛すべきキャラクターたちのおかげで、殺し屋作品なのに物語として暗くなりすぎず、エンタメとして最後まで楽しめるのかなと思いました。
ポイント③ 爽快感のある読み心地と読後感
このシリーズ、人はめっちゃ死にまくるのに、不思議と読んでいて爽快感があるんですよね。あと、どの作品も読後感がとても良い。
まず前提として、殺される人も、理由なく殺される人はいなくて、やっぱり何かしらの悪人なんですよね。あるいは殺し屋自身が殺されることもあります。ですから言葉を選ばずに言うと、人の死にいちいち悲しむ必要がないんですよね。変な言い方ですけれど。
登場人物のほとんどが悪人という前提をうまく使って、「死」に対する悲壮感を相対的に薄めてくれているんですよね。感覚としては、ヒーローが悪者をやっつけたみたいな。まあ、ヒーローもこの作品では悪人なんですけれど(笑)
戦闘シーンはとても迫力がある反面、グロテスクなシーンはほぼないので、その点もクリーンで好感が持てますね。
あとは単純に、この作品自体が殺し屋が入り乱れるという、現実ではあり得ないリアリティ皆無な設定でもあるので、良い意味でフィクションとして割り切って読めるというのも却って良いですね。
そして読後感もですね。これもまたどの作品も爽やかなんですよ。
2つ目のポイントの所でも触れましたが、殺し屋と一口に言っても良いやつと悪いやつがいるんですよ。読者は当然ですが自然と、良いやつを応援したくなりますよね。
その応援していた方に対して、何かしらの救いがある終わり方になっているんですよね。ラストに関わる話なので、ネタバレ防止のため深くは話しませんが、読み切った後には満足感と共に爽快感もきっと得られるような作品ばかりだと思います。
最後に
以上、今回は伊坂幸太郎さんの大人気シリーズである、殺し屋シリーズについてご紹介させていただきました。
本当にエンタメ性に全振りした名作ばかり。伊坂さんってそもそも、どんでん返しとか伏線回収をうまく使ったハラハラ系の作品が非常に上手な作家さんですが、このシリーズではその才能が100%発揮されています。
これぞ伊坂幸太郎!って僕は思いました。
もちろん、作品ごとにまた違った魅力もありますので、4作それぞれの魅力についても他の記事でご紹介させていただいています。そちらも是非ご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!


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