今回ご紹介するのは伊坂幸太郎さんの大人気小説「殺し屋シリーズ」についてです。
現在4作品刊行されている大人気シリーズなのですが、シリーズ全体の魅力は他の記事で詳しく書いておりますので、各作品それぞれがどんな内容なのかについて、掘り下げて書いていきたいと思います。
※ネタバレはありません。
このシリーズは、とにかく殺し屋のキャラクターが魅力的だというお話を前の記事でもしたんですけれど、その愛すべき殺し屋達についても、ネタバレにならない範囲でそれぞれ紹介していこうと思います。
では記念すべき第1作目『グラスホッパー』についてご紹介します!

こちらは2004年に刊行された作品ですね。ちなみにグラスホッパーの意味は「バッタ」です。
あらすじ
主人公は元教師である一般人の「鈴木」。彼はある日、奥さんが何者かに殺されてしまいます。
犯人を追っていた鈴木ですが、ある日その犯人も何者かに殺されるのを目撃します。
その殺害方法というのが、道路脇の歩道に立っていた人物の背中を押して車に轢かせるといった手口なんですね。
その犯人というのがどうやら「押し屋」と呼ばれているプロの殺し屋らしいということを知った鈴木は、真相を知るため、その殺し屋を探していきます。
ただ、その「押し屋」を追っているのは鈴木だけではないんですよ。
また別の、プロの殺し屋が2人出てきます。
- 鯨
彼は「ターゲットを自殺させる」という手口を得意とする殺し屋です。なぜかドストエフスキーの「罪と罰」をこよなく愛していて、ボロボロになっては買い直すということを何度も繰り返しています。物静かで、なんとも迫力のあるキャラクターです。
- 蝉
こちらはシンプルに、ナイフ使いの天才です。粗暴で野心家なキャラクターですね。
この2人も、ある理由があって「押し屋」と呼ばれる殺し屋を探しています。
2人の殺し屋と1人の一般人。彼らの物語が一体どのように交錯していくのか、そのような話となっています。
特徴
このシリーズを大人気に押し上げた、記念すべき第1作目。
僕この小説を読む前は、そもそも「殺し屋」小説って何なの?って感じでした。殺し屋がたくさん出てくることは分かった。でも、それって面白いの?みたいな。
そう思った方、最初の20ページだけで構いません。読んでみてください!
その短い時間で、この独特の世界観を読者に分からせてくれます。ブックオフで最初だけ立ち読みしてください(笑)
のっけから緊迫感抜群の始まりなんですけれど、少し読み進めると語り手が変わるんですよ。それでまた別の殺し屋の、これまた緊迫感のあるシーンに移り変わると。そこからはもう止まんないですね。
あとは、主人公の「鈴木」が一般人という設定もまた良いですよね。彼の持っている常識が読者と同じなので、だからこそ、他の殺し屋達の個性や異常性がより際立ちます。
最初から、登場人物が殺し屋オンリーの世界観だったら、ここまでの人気シリーズにはなっていなかったと思うんですよ。読者と近い価値観を持つ人物が主人公なので、感情移入もしやすいんですよね。
ですから、余談ですけれど、このシリーズを読むにあたっては、一応今回紹介する順番通り(刊行順通り)に読むことをお勧めします。
この小説は「殺し屋小説」という独特の価値観に浸りやすいようにしてくれております。
ただ、小説の読み方は自由ですし、それぞれ独立した話なので、特別気になった作品から読んでいただいても、もちろん大丈夫です。
ちなみにこの小説の最後のシーンについて(ネタバレはしません)。
「ああ、こうやって終わるのね」って感じなんですけれど、実はあります。みんな大好き「伏線回収」
僕は全く気づかなかったですし、なんなら当時の友達から教えてもらうまでは気づかなかったくらいです(笑)
知らなくても十分楽しめたので、気になった人はググってみるくらいでいいと思います。
20年以上前の作品ですが、時代背景的なギャップもなく楽しめる作品だと思いますので、是非読んでみてください!


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